ハーバーハウスで建築して後悔 その2

間違えて100倍発泡ウレタンが吹き付けられていた現場
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インテリ飼主

前回は「犬と暮らす貸別荘」をハーバーハウスさんに依頼し、基礎の欠陥とやり直しやら、連絡をもらえないやらの問題を記載しました。今回はその続きです。

目次

ハーバーハウスの評判

インターネット社会ですから、契約前にやばい情報などがないかハーバーハウスの口コミ、評判などは一通り検索しました。

新潟で着工件数がトップクラスではあるものの、施主が書いているブログはほぼなく、私が見つけたのは下の一つだけでした。

e戸建ての「ハーバーハウスの評判ってどうですか?」という掲示板はあるものの、掲示板では文字数や匿名などの問題もあり、断片的な情報しか得られないため、悪い情報があっても気にしていませんでした。

インテリ飼主

e戸建ての掲示板では、悪評を書かれているハウスメーカーが多い印象で、悪い情報があってもあまり信用はしていませんでした。

ハーバーハウスが長野へ進出したのは2018年で、上田支店はさらにその後ですから、情報がないのも当然です。着実に着工件数をあげている実績から考えて、口コミや評判がなくても大丈夫だろうと安易に考えていました。

建築中のトラブル2

ここでも誤解のないように記載しておきますが、いまだに私は、ハーバーハウスさんに長野で躍進してもらいたいと考えています。自分の家を建築したハウスメーカーを応援したい気持ちは皆さん同じだと思いますし、撤退してしまえば、困るのは施主側ですから。

しかし、現状はどう考えてもお勧めできないのです。

基礎の欠陥や対応の杜撰さなどは前回のブログも御覧ください。

仕様と異なる断熱材

家づくりをして断熱材に詳しい方は、家の断熱性能に断熱材が重要であることは知っていると思います。

ゆず

軽井沢は、冬の最低気温が-15℃を下回ることもある寒冷地で、省エネ基準の地域区分では北海道の札幌市や旭川市と同じ「2地域」に該当しているワン!

北海道と並んで2地域に該当する軽井沢では、断熱材の性能はさらに重要性を増します。

契約書の仕様表では、「アクアフォームNEO」という30倍発泡の吹付ウレタンでした。

吹付け硬質ウレタンフォーム

吹付硬質ウレタンウォームは、写真のように吹き付けると、泡がもこもこと膨みます。時間が経つと硬化して、断熱性能を発揮します。

触ってみたことがある人もいると思いますが、触感は発泡スチロールと同じです。

写真の上の白い断熱材はアクアフォーム、下のピンクの断熱材はアクアフォームNEOです。

アクアフォームは100倍発泡、アクアフォームNEOは30倍発泡という違いがあります。

アクアフォーム:吹付け硬質ウレタンフォーム A種3

アクアフォームNEO:吹付け硬質ウレタンフォーム A種1H

100倍発泡ウレタンと30倍発泡ウレタンの違い

以下は、アクアフォームとアクアフォームNEOを例にとって、100倍発泡吹付硬質ウレタンフォームと、30倍発泡硬質ウレタン吹付フォームを比較しています(一部推定値)。


100倍発泡ウレタン

30倍発泡ウレタン
熱伝導率
W(m・k)
0.0360.021
透湿率
ng/m・s・Pa
312.77
工期1~2日2~3日
気密シート必要不要
経年劣化
価格安価高価
100倍発泡と30倍発泡ウレタンの比較

100倍発泡ウレタンは、吹き付けると100倍まで泡が膨らみますから、少量で広い範囲を断熱できます。その分コストも安くできます。商品としては、「アクアフォーム」「フォームライトSL-100」「アイシネンLDフォーム」などがあります。100倍発泡ウレタンは白や黄色の商品が多いです。

30倍発泡ウレタンは、もともとビルやマンションなど、あまり断熱材の厚みが取れない現場で使用されてきました。30倍しか発泡しないので、密度が高く高性能です。透湿率が低く、気密工法も必要としません。商品としては、「アクアフォームNEO」「フォームライトSL-50α」などがあります。色はピンク色の商品が多いです。

※フォームライトSL-50αは正確には50倍発泡で、色は白色です。
※アイシネンは100倍発泡でも経年劣化が少ないようです。

数値を見てわかる通り、100倍発泡ウレタンより30倍発泡ウレタンのほうが、熱伝導率が低く性能がかなり高いです。軽井沢は2地域の寒冷地ですので、100倍発泡ウレタンでは寒い家となってしまいます。

また、30倍発泡は透湿率が低く、室内の湿気を壁の中に通さないため、気密シート(防湿シート)が必要ありません。100倍発泡は内部の密度が低く、湿気を壁内に通しますから、気密シートが必要です。

※温暖な地域など、条件を満たせば気密シートが必ずしもいるわけではなく、施工していない現場も沢山あります。

30倍発泡ウレタンのはずが、100倍が施工…

断熱材が吹き終わってしばらく経ってから、軽井沢の現地へ行ってみたところ、100倍発泡ウレタンが吹き付けられていたことに気付きました。

間違えて100倍発泡ウレタンが吹き付けられていた現場
30倍のはずが100倍発泡ウレタンが吹き付けられていた現場

現地では、断熱材の種類というより、吹き漏れ等がないかをチェックしていたのですが、その後、色がピンクではないことに違和感を感じ、触った感触も100倍発泡の軽い感じが。。(30倍はもっとみっちりとしています。)

30倍か100倍は、色だけでなくもこもこ具合やスキンカットされている部分で判断できます。

すぐに「断熱材の種類が仕様書と異なっている」とハーバーハウスへメールをしました。

このような問題が起こった際には、すぐに何らかのアクションや連絡をくれるのが、ハウスメーカーとして当然だと思います。しかし、前回の記事でも記載した通り、ハーバーハウスはすぐに返信をくれないんです。

今まで、いろいろな工務店と一緒に建築をしてきましたが、ここまで連絡をもらえないのは、ハーバーハウスさんが初めてのことでした。しかも、問題が起こった時ほど、連絡が全然きません。

断熱材の失敗の件について私が連絡をしたのは平日のお昼で、会社が休みに入っていたわけでもありません。

4日経過しても何の連絡ももらえず、業を煮やして、「社会通念上、このような問題が起こった際には、すぐに施主に対して何らかの連絡をして然るべきではないのでしょうか?」とこちらから督促メールをしました。

その後、ようやく断熱材のミスを認め、謝罪がありました。しかし、その後の対応も杜撰でひどいものでした。

100倍が施工されたとしても気密工法が取られていない

仮に、ハーバーハウス側が仕様を100倍発砲ウレタンと勘違いして施工してしまったとします。

100倍発泡ウレタンの場合、気密防湿シートが必要です。特に軽井沢や新潟のような寒冷地では、気密工法なしに100倍発泡ウレタンで仕上げれば、将来的に壁内結露やカビの問題が発生するリスクがあります。

しかし、現場では、気密シートも行われていませんでしたし、コンセントも気密施工せずに取り付けられていました。

さすがにそれに全く気付かないというのは、ハウスメーカーとしても現場監督としても、いかがなものかと思います。

インテリ飼主

このままチェックせずに建築が進んでいたら、気密もしっかり取られていない寒い家になっていたと思います。

今までハーバーハウスさんで建てられた方も、一度断熱材についてはチェックされた方が良いと思います。

こちらからの譲歩

断熱はすべて終わっている状態であり、ユニットバスも取り付けられていることから、断熱材を剥がしてやり直しは可哀そうだと感じていました。

そこで、今の100倍発泡ウレタンのままで、上からもう少し丁寧に厚く吹いて施工してもらい、気密施工をきちんと行えば、今のままでも良いと伝えました。また、100倍発泡と30倍発泡の断熱材で価格差が生じるため、そちらは差額で返金してもらえれば良い旨も伝えました。

しかし、社内の決定で、現在の断熱材を解体、ユニットバスも一旦解体して、断熱材を吹き付け直す旨の連絡をもらいました。

断熱材の解体が進まない

10月下旬に断熱材の解体、吹付のやり直しが決定した後、全く解体作業に入らない状態が続きました。

11月から解体に入るという話でしたが、ずっと現場は止まったまま。結局12月に下旬になってようやく解体が完了

実に2ヶ月間もの間、現場が止まって放置されていた状態です。

大幅に工期が遅れているにも関わらず、ハーバーハウスさんの対応は、ひどいを通り越して「やばい」と感じました。

12月下旬にようやく断熱材の解体が終了

断熱材のやり直しも進まない

当初、断熱材の再施工は11月下旬を予定していました。しかし、それが12月になっても翌年の1月になっても施工されません。

その間は、こちらから進捗を聞かない限りはほぼ連絡をもらえません。

聞くたびに、「○月○日から断熱業者が入る予定です→忙しいようで○月○日になります。→忙しいようで○月○日」が続きました。

結局、今年(2023年)の2月中旬になって、ようやく断熱材の吹付再施工が終わりました。

断熱材の解体から再吹付まで、1ヵ月半程度、何もせずに現場が止まっていた状態です。

ゆず

断熱材のミスが発覚してから、やり直しまで約4ヵ月かかったワン!

インテリ飼主

断熱材のやり直しだけで4ヵ月って、もう頭がおかしくなるレベル。平屋の工期が4ヵ月くらいなのに。

軽井沢の建築業界は人手不足ですから、ハーバーハウスさんは、職人さんたちのスケジュールを抑えられていないものと思われます。こんな杜撰な管理体制ですから、職人さんたちも仕事を受けたがらないのかもしれません。

工程表ももらえませんし、次の工程を聞いても遅れてばかりで、スケジュール通りに進んだ試しがありません。

契約時の仕様書はアクアフォームNEOですが、再施工された断熱材はフォームライトSL-50αでした。

現場で吹き付けた後に説明を受けたため、もう何も言いませんでしたが、本来であれば、1度ミスしてるのですから、仕様と違う断熱材を使うならば、施工前に施主に断りを入れるのが当然ではないでしょうか。正確には、アクアフォームNEOは30倍発泡で、フォームライトSL50αよりも断熱性能や防湿性能が上ですし、仕様書にも同等品で可の記載はありません。

しかし、過去の対応でこちらが疲れていることもあり、ハーバーハウス側も故意でミスをしたわけでもなく、下請け職人さんの労力も考えて、何も言いませんでした。

インテリ飼主

2021年の工事開始から、このブログを書いている2023年の4月現在で、いまだ工事中なんて想像してもいませんでした。あまりに対応が杜撰なこともあり、本社の社長へ連絡をしました。次回はそちらについて記載します。

当記事について:2024年9月現在、いくつかの問題が発生しています。一種換気システムが作動しないこと、外溝のアプローチのデザインコンクリートがほぼ剥がれたこと、整地の際に隣地境界が最大5メートルずれ、フェンス設置位置が隣地から5メートル空いていることなどです。しかし、後任の現場監督がこれらの問題に真摯に対応していただいており、是正工事が予定されています。

この記事については、当然ハーバーハウス様も把握していると思いますが、「消してください」という圧を一切かけてこないこと、ミスを認めて是正工事をしていただいていることなども鑑みて、年内に記事を削除します。

参考にした文献やサイト
  1. 日本アクア アクアフォーム®・アクアフォーム®NEO https://www.n-aqua.jp/products/aquaform_series/
  2. 日本アクア アクアフォームNEO https://www.n-aqua.jp/images/catalog/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0NEO.pdf
  3. 住宅サポート建築研究所 建築材料の透湿抵抗値 http://www.house-support.net/seinou/tousituteikou.htm
  4. 伝家の宝刀!住宅関連ブログ 軟質ウレタン(100倍発泡)は住宅の断熱材に絶対使ってはいけない http://lastresort-ie.com/ieinfo/1168
  5. sou housing 何故【100倍発泡した軟質ウレタンフォーム】を使ってはいけないのか? https://www.seibukaihatsugroup888.jp/staffblog/22174/
  6. e戸建て ハーバーハウスの評判ってどうですか? (総合スレ) https://www.e-kodate.com/bbs/thread/357168/
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この記事を書いた人

こんにちは!ゴールデンレトリバーのゆずです!軽井沢の犬と泊まれる貸別荘「トライハク」のワンシェルジュ、兼、mofmofwalkerのライター犬をしています。Xもフォローしてくれると嬉しいです。
特技: おやつ探しの名人、ボールキャッチの達人、そして最高のモフモフ提供者!
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