ホストはつらいよ~備品破損編1~

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新米ホストの夏

夏の軽井沢は、緑の木々と涼やかな風が訪れる人々を迎え入れます。私もその一人で、新米ホストとして「犬と泊まれるバケーションレンタル」の扉を開けたばかり。

意気揚々と新築の貸別荘をオープンし、様々な先輩ホストの民泊トラブルの恐怖話を読み漁り、ハウスルールを鉄壁にし、保険にも加入。

準備万端で迎えた初夏でしたが、予想外の宿泊ラッシュに、喜びとともに、思わぬ「洗礼」が待ち受けていたのでした・・・。

ついに念願の軽井沢に犬と泊まれる貸別荘をオープン!
広いデッキでバーベキューも楽しめる

備品たちの悲劇

建築トラブルにより、宿のオープンが1年以上遅れていたこともあり、最初はゆっくりとゲストが増えればと悠長に構えていました。しかし、オープンがどんどんずれ込み、夏のベストシーズンになってしまったことで、宿泊者の多さに戸惑う日々。

ホスト経験たったの3ヶ月で、ウッドデッキの破損は二度、キッチン天板の破損、テーブルの脚がグニャリ、テレビ画面が傷だらけ、室内ドアの破損と、様々な設備や備品が次々に破損していきます。

それは、もう私たちの想像を絶するスピードで物が壊れていきました(笑)

デッキの上で火を使い真っ黒焦げ(報告なし)

念の為書いておきますが、ほとんどのゲストは素晴らしい方で、通常の使用方法で破損が起こることはまずありませんし、たった1個コップを割っただけで報告していただけるゲストの方もいらっしゃいました。

しかし、設備や備品を破壊しても報告も連絡もしていただけないゲストもおり、清掃に入るたびに私達が見つけるという悲劇が続きました。

大パーティーの惨劇

ある日のこと、新米ホストになってすぐに大きな事件が起こりました。若いゲストが大騒ぎをし、キッチンの天板やウッドデッキを破損し、何食わぬ顔でチェックアウト。その後、揉めに揉めたのです。

パーティーの禁止

一棟貸し物件でのパーティーやイベントによる近隣への迷惑行為が大きな社会問題となり、2022年6月にAirbnbは、Airbnbサービスを活用している全物件に対し、全てのパーティやイベントの実施を恒久的に禁止すると発表しました。

もちろん、私の施設もAirbnbを活用し、パーティー禁止のハウスルールを設けています。Airbnb以外の施設でも、ほとんどの一棟貸し施設は、パーティー・宴会・イベントを禁止しています。

一棟貸し施設では、ご家族やご友人と大人数で宿泊するわけで、話に花が咲き、盛り上がるのは当然で普通のことです。しかし、パーティーと会食の違いは、周囲に騒音等の迷惑をかけるかどうかの違いと言えるでしょう。

大量にアルコール類を持ち込んだゲストは、夜中までどんちゃん騒ぎをしていたようで、近隣の方から苦情が入りました。とにかく私達は平謝り。すぐにゲストに連絡し、屋内に入って静かにするように注意をしました。

キッチン天板やウッドデッキの破損

翌日清掃に入ると、チェックアウト時間を過ぎているにもかかわらず、ゲスト全員がまだ室内にいました。酒瓶が散乱し、室内は荒れ放題。

ゲスト全員が退室後、改めて清掃に入ると、ウッドデッキにタバコの焦げ跡、システムキッチンの天板には大きな傷、そして、室内には泥汚れとともに土足で歩き回った足跡が残されていました。

ちなみに、当施設は敷地内全面禁煙です。タバコに関する様々なトラブルが続いたため、屋内・屋外とも「敷地内全面禁煙」にしています。

もちろん事前にゲストにはその旨を伝え、施設内に禁煙の掲示もしていましたが、喫煙のみならず、タバコの火をウッドデッキに押し付けて消していたようです。また、庭のドッグランにはポイ捨てされた吸い殻が多数散乱していました。

もしワンちゃんが吸い殻を口にしてしまったら大変です。300坪ある敷地をくまなく歩き、吸い殻の拾い忘れがないか確認して回りました。また、ゲストが水風船バトルを繰り広げていたようで、あらゆる場所に割れた風船の欠片が落ちていました。ゲスト貸出用の傘を盾に使って遊んでいたためか、ボキボキに骨が折られた傘も見つかりました。

ゲストに連絡して、キッチンやウッドデッキの修理費用を求めるもなかなか責任を認めようとしません。その後、器物破損で警察に相談し、損害賠償訴訟を起こすことを提議。その段階になって、ようやくゲストが非を認めて謝罪してくれました。

ゲスト曰く破損は故意ではなかったとのことで、損賠はAirbnbの保険がカバーしてくれ、ゲストには夜9時までかかった特別清掃費だけお支払いいただき、一件落着となりました。

非を認めてくれないゲスト

清掃時に設備の破損を見つけた際には、そのゲストの宿泊前の時点と破損時点の写真を送り、事情を伺うようにしています。写真を送ると、ほとんどのゲストは非を認めてくれます

民泊保険では、加害者が不明な場合は保険が使えませんから、破損を報告してくれなかったとしても、こちらからの連絡でゲストが非を認めてくれるだけでも助かります。

巨人が乗って破壊された椅子の脚(報告なし)

しかし、極稀に、「うちじゃない!失礼だ!」などと逆上されてしまうケースもあります。

テレビ画面の傷のミステリー

ある晴れた朝、私たちの宿には小さな冒険家たち(お子様連れのゲスト)がやってきました。

彼らが去った後、テレビ画面には驚くべき発見が!

多数の謎の古代文字のような傷が出現したのです。これは新たなピクトグラムか、それとも宇宙からのメッセージか?いや、もしかすると、ただの「お絵かきタイム」でしょうか。

画面の傷は硬いもので描かれた、子供の落書きのような擦り傷。傷は子どもの身長くらいの高さで集中しているため、小さな手が関与していることは明白です。そのゲストの宿泊前は、私たちホストがメンテナンスのために泊まっており、夜には映画を楽しんでいたので、もちろんそんな傷はありませんでした。

清掃に入った際、すぐにこの謎の象形文字を発見し、ゲストに写真を送って事情を伺いました。すると、彼らは「チェックアウトのときはそんな傷はなかった。他の誰かが付けた傷ではないのか?」という、まるでミステリー小説のような主張をされました。

そのゲストがチェックアウト後、すぐに清掃に入り見つけた傷です。一体誰が付けた傷なのでしょうか?
謎は深まるばかりです。

ちなみに、私たちがゲスト用に用意していたUSB充電ケーブルが、なぜかテレビの後ろに隠されていました。お子様がUSBケーブルの先でテレビ画面を擦った跡のように見えたため、そのこともゲストに訪ねましたが、「子供がいたずらしないように、ケーブルをテレビの裏側に隠しただけ。」とのことで、非は認めていただけませんでした。

犯人探しは三流のミステリー小説以下で簡単なものでしたが、全く非を認めていただけないゲストであったため、犯人は不明なままとしておきました。

最終的に状況証拠から、ゲストが付けた傷であることがAirbnbで認められ、保険でカバーすることができました。しかし、加害者が不明であれば民泊保険も使用できないため、ゲストがAirbnb経由の予約でなかったら泣き寝入りでした。

子を持つ親の責任

子供がいたずらをしてホテルの備品を壊した場合、親としてのあるべき姿を考えさせられる出来事でした。無人施設で他人の目がないからごまかすのか、責任を認め適切な対応を取るのか、人によって分かれます。

当施設は、ご家族で楽しめるようにとお子様は無料にしていた時期もありました。しかし、お子様による設備の破損や室内の汚損は仕方がないものの、それを報告していただけないご両親が想像以上に多く、清掃やトラブル処理にかなりの時間を割いていたので、心苦しくも2歳以上のお子様は大人料金へ変更としました。

子供が施設の備品を破損・汚損した場合、普通の親なら以下の行動をすると思います。

  • 謝罪:管理者に対して、起こったことについて正直に話し、謝罪をする。
  • 修理または弁償:破損した備品の修理や弁償について話し合い、必要な措置を取る。
  • 教育:子どもに対して、他人の財産を尊重すること、間違いを犯したときはそれを認める勇気を持つこと、そして責任を取ることの大切さを教える。

このような行動を取ることで、子どもにとって良い見本となり、社会的な責任感や倫理観を育む機会にもなります。また、親自身が模範を示すことで、子どもは正しい行動を学び、将来的に自立した大人に成長するための基盤を築くことができます。

子供は親を見て育ちます。悪いことをしても親がごまかせば、子供も平気でごまかすようになります。親は子どもにとって最も影響力のある教育者であり、その行動は子どもの価値観や行動に大きな影響を与えます。

過去の経験を踏まえた対策

当施設では、多くの宿泊施設に習って、清掃の際に必ず写真を撮影し、証拠保全をしています。また、悪質な場合には、警察への被害届を徹底しようと考えています。幸いなことに、相談止まりでまだ被害届を提出するに至っていません。

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この記事を書いた人

mofmofwalker管理人のゆずです!今日は、あなたのモフモフたちをどこに連れていきますか?素敵なもふもふライフをお過ごしください!

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