大型犬の水洗トイレを作ってみた! -作り方-

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コミュ障飼主

新築を建てた時に水洗式の犬用トイレを設置しました!
試行錯誤の末に私が設計し、大工さんに施工してもらいました。新築時にペットの水栓トイレを検討している方は、失敗した点も書いていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
以前に室内に置くだけのトイレトレーについて書いている記事を書きました。よかったらご覧ください。

目次

犬用水洗トイレの動画

この記事はyoutubeでまとめているので、まずは御覧いただくのが早いと思います。

YouTubeのフォロワーさんはやっと300人を超えた弱小アカウントなのに、この動画は1ヶ月も経たず10万再生!

みんな、犬の水栓トイレがあったらいいなあって思ってる証拠ですね!!

自分で設計して問題なく使えてるの?

問題なく使用しています!

うんちは、すぐに流せるので匂いがないし、何より高いペットシーツが全然減らなくなりました。

この便利さは、大型犬の飼い主の方にしかわからないかもしれませんが、めちゃくちゃ重宝しています。

ゆず

ワイもいつでもウンチ、おしっこが出来て楽だワン!

試しに、自分でFRP防水で試作品を作ってみましたが、だいたい要領が分かったところで、設計だけ自分でして、製作は新築時に職人さんにお願いしました笑。

なんせ最初の試作品はこんなレベルでしたからw

ただ改良すべき点が何個もあるので、ここで書いていこうと思います。

最初は水洗トイレの下地として人工芝を採用していました

犬用水洗式トイレの使い方

タンクから水を流したときの様子です。

上の動画では水の出る位置が高すぎたので、後から塩ビパイプを接続して、下の位置から水が流れるように調整しました。

動画のように、拡大してみるとトレーの端っこまで水が十分に行き渡っているのがわかります。

つまり、トレー内のどこでもおしっこをしても水で流れるようにしています!

排水の様子

トライハクに犬用水洗トイレを設置!

追記なのですが、軽井沢に2023年7月下旬開業予定の愛犬と泊まれる貸別荘「トライハク」に、この犬用水洗トイレを設置しました!

こちらの記事や動画で紹介している自宅に設置したトイレより、さらに改良して使いやすくした仕様となっていますので、軽井沢にワンちゃんとご宿泊の際には、ぜひトライハクにご宿泊してお試しください!

犬用水洗トイレの作り方

これから犬用の水栓トイレを作る方に向け、簡単に作り方を紹介します。

トイレの大きさ

ゆずは、ゴールデンレトリバーの女の子で、体高55cm 体重30kgです。トイレの大きさは内径で100×70cmで作りました。

犬はクルクルと回って用を足す習性がありますので、大型犬の場合、ペットシーツのスーパーワイド(90×60cm)のサイズは最低でも必要です。

盲導犬の場合には、ワイドサイズ(60×45cm)で用を足せるように訓練していますが、それでも、わんこがクルクルと回るスペースが必要です。

大きすぎても掃除が大変なので、桶のサイズはおおよそ下記をお勧めしています。

ワンちゃん別トイレのサイズ(内寸)
  • 小型犬(10キロ未満)・・・幅60cm×奥行45cm。犬が回るスペースを考慮しても、十分なサイズです。
  • 中型犬(20キロ未満)・・・幅90cm×奥行60cm。中型犬としては十分なサイズです。60cm×60cmの正方形でも大丈夫だと思います。
  • 大型犬・・・幅100cm×奥行70cm。奥行方向を10cm長くするだけで、うんちが外にはみ出るリスクを減らせます。奥行が70cm以上の場合、奥に手が届かず、掃除しにくいというデメリットがあります。

必要なもの

水洗式犬用トイレでは、以下のものが必要です。

水栓トイレに必須のもの
  • トイレタンク
  • 塩ビパイプ
  • FRP防水のトレー(造作桶)
  • Pトラップ
  • ユニット式の人工芝
  • ハンドシャワー
  • メラミン化粧板
  • トイレペーパーホルダー
  • 換気扇
水栓トイレにあるといいもの
  • 監視カメラ
  • マグネット

次に一つずつ解説していきます。

トイレタンク

まず、トイレタンクですが、大型犬サイズの桶の場合に、節水型ではないものをお勧めします。小型犬~中型犬サイズの桶までは、節水型タンクでも問題ありません。

人間用のトイレは、うんちが落ちる部分が狭くて深いので、少量の水でもサイホン現象で綺麗に流れます。

しかし、犬のトイレは浅く広く作らなければいけません。うんちは取ってから流しますが、おしっこは、トイレのどこにしても綺麗に流せる必要があるため、節水型のタンクだと水量が足りず、綺麗に流れないのです。

手洗い器は必要ないため、手洗い器なしの一般平付タイプと呼ばれるタンクを購入してください。

LIXILのトイレタンクの種類

トイレタンクがむき出しだとかっこ悪いので、我が家では、トイレトレーの横の壁に埋め込み型の扉を設け、その中にトイレタンクとゆずのトイレトレーニング用シートを閉まっています。

扉の中にトイレタンクを設置

お勧めのタンク

大型犬用のお勧めのタンクは、リクシル DT-520XU38です。大洗浄9Lで、広いトイレでも隅々までしっかり流れます。

FRP防水のトレー

作り方は木枠で桶を作成して、その上からガラス繊維と硬化樹脂材を塗りたくって、乾いたらトップコートを塗って完成です。

水性防水防塵塗料を塗っています。マンションのベランダなんかに塗られれている塗料ですね。

FRPの防水トレー排水口付

立ち上がりの高さ

防水トレーの立ち上がりは、15cm以下がおすすめです。大型犬でも老犬になった際には15cmの段差が辛くなるかもしれないからです。

トップコートは骨材なし

ベランダのFRP防水場合、通常、歩いても滑らないようにザラザラした骨材が入ったトップコートを塗ります。ですが、トイレに骨材を使ってしまうと汚れが綺麗に流れにくくなります。トイレの場合には、骨材無しを指定してください。

コミュ障飼主

うちは指定するのを忘れてしまい、自分で上から重ね塗りをしました。それでもざらつきが残ってしまっており、それが最大の後悔ポイントですね。

排水勾配

犬は4WDなので、勾配が多少きつくても大丈夫です。4%程度の排水勾配がおすすめです。

Pトラップ

Pトラップとは、下記のような排水金具です。

洗面台に付いている排水管にあたるもので、壁に排水する場合はPトラップ、床に排水するならSトラップを使用します。

曲がりの部分に水が溜まって(封水)、下水から匂いが上がってくるのを防いでくれます。

排水口はとても悩みました。水洗式トイレを設置しても排水管の臭気が上がってきてしまっては台無しです。

封水方式は、当初、簡易トイレによく用いられている「パンタロン方式」や「オートフラッパー方式」の採用を考えていました。

パンタロン方式
オートフラッパー方式

パンタロンは、毛細管現象を利用したゴム状のものです。汚物や排水の自重により密着しているゴムが開き、排水する仕組みです。開いたゴムは徐々に元に戻り、再度密着するので、匂いが上がってくるのを防ぎます。

オートフラッパーは、昭和生まれでボットン便器を使ったことのある人なら、あれか!とわかると思いますが、便や尿の重さでぱかっと開き、バネの力で戻ります。

パンタロンやオートフラッパーの利点として、床下に配管をとるスペースがなく、トイレ本体側で封水できることです。

ですが、これらの器具で封水することはあきらめました。

理由は桶を器具分かさ上げしなければならないことや、封水が器具頼りになり、器具の寿命が来た時に困るからです。

パンタロンを実際に購入して、試してみたのですが、これで排水管の臭気が完全に上がってこないというと、そうでもないことが分かりました。

というのは、新品にもかかわらず、ゴムが完全に密着していないのです。

試しに夜中に懐中電灯で照らして密着しているか確認したところ、わずかに光が漏れていました。光が漏れているということは、すき間がありますよね。

できれば器具を使わず、一般的な人用のトイレのようなサイフォン方式による排水がしたい!ということで、犬用トイレには、床下内の配管でPトラップを使用することにしました。

排水口の大きさ

ドライフードを食べているワンちゃんの便は、固まってコロコロしていますが、ゆずは、人と同じ食べ物(ほぼお肉ですが)を食べているので、うんちは軟らかくて、めちゃくちゃ大きいです。

ゆず

ワイのうんちは人間より大きいこともあるんごね!

人間用のトイレの排水口パイプの径は、φ75かφ100ですが、犬用トイレでは75φにしました。幸い75でも問題なく流れてくれています。

径が太いと、逆に水の勢いが減るので流れにくくなる可能性もあり、大型犬まではφ75が最適だと考えています。

ゆずは人間と同じ食事を食べています。1回で生の牛肉を500g、キャベツを1/8玉、トマト、卵、納豆、煮干しなどをペロリと平らげるので、でっかいうんちをするものの、ドライフードのように固まってでません。大きくても詰まりにくいため、75φの排水口で十分です。

ドーベルマンのうんこを人間用トイレに流したら詰まったという記事を読んだこともあり、40kg以上の超大型犬の場合には、排水口の大きさはφ100のほうが安全です。

ユニット式人工芝

オシッコした後に足に付いてしまっては嫌なので、人工芝を敷きます。

人工芝やスノコは、10種類程度試してみました。水はけがよく、掃除がしやすく、犬が踏んでも嫌がらない製品を選ぶ必要があります。

裏がゴムのリアルな人工芝を敷いてしまうと、匂いが染みつきやすいので、ユニット式の人工芝をおすすめします。

ユニット式人工芝は、通常の人工芝と比較してうんちがこびりつきにくく、おしっこも流れます。しかし、表面におしっこが残りやすいのがデメリットです。

人工芝を敷く場合、犬の脚ざわりが良く、うんちが付きにくい「やわらかターフ」がおすすめです。

我が家では、現在ジョイントスノコを利用しています。おしっこが表面に多少残りますが、人工芝よりさらに掃除がしやすいのが利点です。

インテリ飼主

ちなみに、パンチングやグレーチングなどのステンレス製も考えたのですが、犬はまず乗りたがらないと思います。

ハンドシャワー

人工芝やスノコにうんちが残ってしまったときや、掃除をする際に使用します。

冬場に掃除するときは温水が出たほうが便利なため、混合水栓をお勧めします。また、スパウト(器具の下に付く吐出口)は必要ありませんが、スパウトなしモデルだと、ハンドシャワーにクリック機能(手元スイッチ機能)が付いていません。

ハンドシャワーは、下記のように、シャワーヘッドに手元スイッチが付いているものだと掃除する際に、便利なんです。

スパウトは付いていますが、下記の固定タイプもおすすめです。手元スイッチがありストレート脚で掃除が楽なことと、エアインシャワーですがヘッドが大きくないため、細かい部分の掃除でも水が飛び散りにくいです。(寒冷地向けの型番TMNW40EG1Z)

トライハク軽井沢ひなたの犬用トイレには、寒冷地用で手元スイッチが付いたリクシルRBF-914NEWを採用しています。

トライハク軽井沢ひなたの水洗トイレで採用したシャワー水栓

うちはもともと混合水栓で計画していたのですが、何を血迷ったか、私が途中で「単水栓で、シンプルなシャワーで十分」と言い出し、水だけのシャワーになりましたorz。。

とっても後悔しています。

ちなみに、シャワーの勢いが強いほうが汚れ落ちがいいと思うかもしれませんが、桶が浅いので水が跳ねますから、シャワーの勢いは必要ありません。

メラミン化粧板

普通のメラミン板と、浴室などで使えるバスパネルはどちらも水に強いのですが、バスパネルは裏側も防水仕様になっており、万が一水が回ってしまっても腐ることはありません。

我が家は、普通の白いメラミン化粧板を3方向の壁に使用しています。通常の壁紙だと水ハネでダメになってしまうので、トイレトレーの周りには必須ですね。

掃除のしやすさを考えると、水垢が目立たない明るい色で、艶があった方がgoodです。

トライハク軽井沢ひなたでは、壁にメラミンを採用せず、FRP防水を壁まで立ち上げています。掃除がさらに楽になり、メラミンと桶との取り合いの防水シーリングが不要なため、漏水に強くなりました(おしゃれではありませんが・・・)。

トイレペーパーホルダー

うんちを取るときに使用します。結構すぐに無くなってしまうので、スペースに余裕があれば2連をお勧めします。

沢山使うので、紙押さえがないほうが便利です

トライハク軽井沢ひなたでは、ホテルライクな埋込型を採用しています。ワンコなのに贅沢w

換気扇

換気扇があると、トイレにうんちをしていても気付かないレベルで、匂いが軽減されます。

一回だけ、トイレの換気扇を切っていたことがありましたが、その時は、トイレのある洗面所がうんちの臭いで充満していました笑。

絶対に取り付けた方が良いと思います!

監視カメラ

カメラがあると便利です。うちでは、カメラのセンサーを利用して、ゆずがトイレに入ったらスマホに通知が来るように設定しています。

また、外出先でもトイレをしたか確認できるので、ぜひおすすめします。

設置のためには、水がかからない壁の高い位置にコンセントを設けておきましょう。

カメラは下記がおすすめ!

マグネットとマグネット補助版

オス犬では、足をあげておしっこをするワンちゃんもいると思います。そんなとき、壁にマグネットを付けて、ペットシーツを挟むことで、尿はねを防止できます。

ゆずは女の子なので必要ありませんが、男の子を飼っている方は、ぜひ壁にも飛び跳ね防止のシートを貼ってみてください!

設計図

施主が考えた簡単な漫画図です笑

ご参考までに。

210921_犬用トイレ回り

後悔ポイント

自動水洗式タンクにすればよかった

トイレを流す度に、扉を開けて→レバーを引いて→扉を閉める動作をしています。

面倒と感じていて「流せるもん」を取り付ければよかったと後悔しています。流せるもんは、ボタン一つで水を流せる装置です。

タンクを露出して取り付ける場合はいらないと思いますが、タンクを隠す必要がある人は、自動洗浄の機能はあったほうがいいですね!

点検口をトイレ側につけてしまった

これは水を給水するタンクと横にある犬用水飲み器の点検口として設けています。

その横には洗面台があるので、自ずと犬用トイレ側しか取り付けるしかありませんでした。

タンクがある扉に点検口を設ければよかったじゃないか、と思われるかもしれません。

ですが、点検口は犬用水飲み器の真裏か真横でないとダメでした。

メンテナンスのこともよく考えればよかったと後悔しています。

壁にもFRP防水

メラミン化粧板を壁にまわしていますが、桶との取り合い箇所にはコーキング材を充填して、防水処置をしています。

桶の掃除祭になるべく、コーキング材をゴシゴシしたりしないように気を使いながら掃除をしているので、FRP防水層を壁まで巻き上げてしまえば、気を使わず掃除ができるのにとちょっぴり後悔しています。

FRPとメラミン化粧板の防水の取り合い
ゆず

軽井沢に建築中の「犬と泊まれる貸別荘」では、壁の立ち上がりもFRP防水にしてるワン!ワイが仕上がりをチェックしてきたが、壁がボコボコして、ちょっとデザイン的に微妙だったんゴね。

コミュ障飼主

現場監督犬、、厳しい笑。

出口を狭くすればよかった

ゆずがトイレを失敗する場合は、出口方向にお尻を向けてウンチをするときです。

ウンチが桶の縁ギリギリになったり、時には桶からはみ出してしまうんですよね。かといって、トイレの奥行を取りすぎると手が届きにくくなって掃除が大変です。

今のトイレのサイズでも出口方向にお尻さえ向かせなければ、100%成功します。なので、桶の出口にゴミ箱を置く作戦を取りました。

ゴミ箱を置いてから、出口方向に頭を向けて用を足すことが多くなり、失敗することがほとんどなくなりました!

気になる費用

工務店に作成してもらった費用ですが、予算として10万円を計上していました。ちょっと安すぎる気がしますが、、。

最終精算の際に、工務店から特に追加請求されなかったので、この金額内で製作してもらえましたが、ほぼ原価です。混合水栓シャワーや流せるもんなどの費用、工務店の利益を考えると、実際には20万円程度は見る必要があるでしょう。

新築やリフォーム工事では大工、防水、設備が入りますから、その際に依頼すると安く上がります。

今回の犬用水洗トイレでは、専用の変わった工種が入ったわけではありませんので、この金額内で済みました。

ゆず

犬用水洗トイレを考えている方は現在相談されている工務店にご相談されると良いといいんごね

参考にした文献やサイト
  1. ブリリアンパット ロール式自動犬トイレ https://oftww.com/brilliantpad_smart_lp
  2. The World’s First Smart Toilet for Dogs Has Arrived https://www.pinterest.jp/pin/dog-health–655414551999507700/
  3. Bell&Me(ベル&ミー)かわいいペットの自動水栓トイレ http://www.bell-mie.net/top/index1.html
  4. Doberman’s Blog/ドーベルマン ブログ(ドーベルマン.com)たった2年間で5回も!?大型犬のフンをトイレに流した結果。https://www.xn--gdk6ap5czbyc.com/entry/2015/08/05/113640
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この記事を書いた人

コミュ障で臆病な飼い主。犬の水洗トイレを設計して自宅に設置。犬と暮らしやすいシンプルな家を模索しています。趣味はキャンプ、ツーリングなんだけど大の虫嫌い。手先は器用らしい。

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